■裏面(金貨)
@ ウェイトリフティング
明朝時代に書かれた小説『水滸伝』の登場人物である、中国古代の英雄“武松(ぶしょう)”が石の水門を持ち上げている様子がモチーフです。その豪快な姿は、ウェイトリフティングのほとばしるパワーを表現しています。コインの右上には今大会で使用されるウェイトリフティング競技のピクトグラム*、その下に150元の額面と中国語で「第29回オリンピック競技大会」を意味する文字が刻まれています。
A レスリング
中国の古代レスリング「シュワイジャオ」がモチーフになっています。元となった壁画「太子相撲図(たいしすもうず)」はおよそ1500年前、北部周王朝の時代に描かれたもので、甘粛省北西部にある有名な敦煌洞窟のうち第290窟で発見されました。投げを打つ相手に対し、必死に耐える競技者が、躍動感たっぷりに描かれています。コイン左下には今大会で使用されるレスリング競技のピクトグラム、その右に150元の額面と中国語で「第29回オリンピック競技大会」を意味する文字が刻まれています。
B サッカー
中国に古代から伝わる「蹴鞠(ツジィ)」がモチーフです。類い稀な蹴鞠の技を持つ人物がゲームに集中する様が描かれた原画は、800年以上前、元の時代に描かれたもので、美しくデリケートな筆運びの傑作です。着衣によって彼らの社会的地位が見てとれ、封建時代の貴族の娯楽に関する精神を余す所なく表現しています。コインの右上に今大会で使用されるサッカーのピクトグラム、その下に150元の額面と中国語で「第29回オリンピック競技大会」を意味する文字が刻まれています。
*ピクトグラム:大会で使用される競技のシンボルマーク。競技施設等の標識として使用されます。
■裏面(銀貨)
C 北海公園
中国最古の宮廷御苑として1000年以上の歴史を持つ北海公園の景色が描かれ、それを幸運の象徴である「如意(にょい)」によって縁取り、左側には中国伝統の漆器がカラーで描かれています。その下に10元の額面と周囲に中国語で「第29回オリンピック競技大会」を意味する文字が刻まれています。北海公園は市民の憩いの場であり、池の瓊華島(けいかとう)に立つチベット仏教の白塔は公園のシンボルとなっています。
D 四合院(しごういん)
中国華北地方、特に北京における伝統的な住宅建築である四合院です。それを幸運の象徴である「如意(にょい)」によって縁取りした左側には、美しい青磁器がカラーで描かれています。四合院は、四角形の中庭をとり囲んで、東西南北にそれぞれ対称型に建物があり、東西南北を表す『四』、塀で取り囲む意味の『合』、中庭を表す『院』が名前の由来です。北京ではその多くが平屋建てとなっているのが特徴です。
E 京劇
中国の無形文化遺産である京劇は、オペラのような歌唱、演技、台詞まわしを持ち、厳密な型に定められた動きで演じる古典演劇です。その個性溢れる京劇の面が格子窓枠の中にカラーで描かれています。京劇は1790年、北京に進出した安徽省の徽劇がベースとなり、江蘇省の昆劇、西北部の秦腔など各地の演劇、歌劇や民族音楽が北京という都市で融合、発展し、形成されました。
F 秧歌(ヤンガー)踊り
「秧歌」は中国北部に伝わり、もとは田植えや収穫の喜びを表した漢民族の伝統的民族舞踊です。コインには、たすきや絹の扇子を手に踊る表情が生き生きと刻まれています。中国古来の格子窓枠で仕切られた内側には、民芸調の切り絵で鳥と花がカラーで描かれています。正月や祝祭の場で今でも踊られる秧歌は、長袖の赤・黄・緑の鮮やかな衣裳を身にまとい、大勢で太鼓や銅鑼のリズムに合わせて軽快なステップを踏み、祝いの気分を盛り上げます。
G 中国獅子舞
「獅子舞」は、中国各地で行われる漢民族の伝統的民俗芸能で、地方によりスタイルや特徴は様々です。地域により大きく「南獅」と「北獅」とに分かれ、さらに獅子の豪快で猛烈な性格を表現する「武獅」に対し、ここでは身体を掻く、たてがみを揺さぶる、舐める、ごろんと転がるなど、素直で愉快な「文獅」(温厚な獅子)が描かれています。格子窓枠の中には、民俗芸能の影絵芝居がカラーで描かれています。
H 北京大碗茶(ターワンチャ)
北京の伝統的な茶室です。大きな陶器ポットでいれたお茶(大碗茶)を給仕する人の後ろに、人々がお茶を飲みながらなごやかに会話を楽しむ様子が描かれています。古くから北京では屋台や茶館の大碗茶が庶民のスタイルでした。中国古来の格子窓枠の内側には、年画(春節=旧正月に飾るおめでたく縁起の良い版画)がカラーで描かれています。