「クラウス世界標準カタログ」を使ってコインをしらべよう
目次
コイン収集に欠かせない!「クラウス世界標準カタログ」
「クラウス世界標準カタログ」には各国様々なコインが掲載されています。現在、カタログの表紙に記載された「1900-2000年」、「2001年-以降」の2冊に分かれており、その期間に発行された世界中のコインが網羅されています。
カタログには、「国(アルファベット)」⇒「年号」⇒「額面」の順番でコインの情報が掲載されており、初心者でも迷うことなく探す事ができます。
今は懐かしの「タウンページ」並みに分厚いことから、“電話帳”の愛称で呼ばれています。(余談)
カタログを使って持ってるコインを調べてみよう!
コインには、既にデザインに国名やテーマが刻印されているものや、技うかな情報しか入っていないものなど一律に決まりはなく、様々です。探すときのポイントは、まず『どの国から発行されているか」、『いつ頃発行されたものか』、『額面はいくらなのか』の優先順位で探すと、見つけやすいです。
さっそく下記のコインを例に、カタログから探してみましょう!
シエラレオネ銀行10周年を記念する、1レオネコインということが分かりました。
早速、カタログを使ってもっと細かい詳細を探してみましょう。 シエラレオネ?聞いた事無いな?とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、列記とした1つの国です。コイン収集をしていると普段聞きなれない国まで知識として憶える事が出来ます。 カタログを開いて数ページ目に、国名一覧(アルファベット順)があるので、『SIERRALEONE』を探します。 |
||
シエラレオネのページを開けてみると国の地図、説明が英文で書かれています。ここから次の国が出てくるまでの間はシエラレオネのコインが掲載されています。
コインは額面の小さい順に掲載されています。見たところ、シエラレオネは最小1/2セント最高2500ドルのコインがあるようです。 |
||
小額面から順に掲載されているので、直ぐに発見出来ました。コインの写真が載っていない場合もあるので、なかなかみ見つからず投げ出したくなることもありますが…辛抱強くコインを探してみてくださいね! |
次に、カタログの表記を解説致します。
カタログの表記解説
①掲載されているコインはほぼ原寸大
掲載されている写真が実寸であることから、直径が記載されていないコインもあります。その場合は、カタログ掲載のコイン写真を直接定規で測ると良いでしょう。
②カタログ番号
”KM番号”とよばれる最も代表的なクラウス・ミュンツェンの略記です。この他に、R・S・ヨーマンカタログで使われる”Y番号”などがあります。”KM#26a”などのアルファベットがついている場合には同じデザインで複数の異なる素材で鋳造されている事を意味します。表記がa、b、c…と続く毎に種類が増えていきます。
<解読のPOINT>
・KM26、KM26a が記載されている ⇒2種類ある
・KM26、KM26a、KM26b、KM26c が記載されている ⇒4種類ある
この他にはKM#***.1などのKM番号の後ろに数字が付く事もあり、この場合は通常のKM番号のコインと仕様が異なっていることを意味します。(例:エッジ(コインの縁)部分の仕上げが異なるなど)
③額面
貨幣などの表面に記された金額の事です。(日本でいうところの、1円、10円、50円、100円など)「コイン」は「お金」ですので必ず額面が存在します。
※カタログ上で、『1LEONE』は『LEONE』のみ記載されています。『1DOLL』の場合は『DOLL』となっています。
④発行年
鋳造された年号が印字されています。コインによっては、年末に翌年のコインが早々に発行される事もあります。
⑤発行数
コインは概ね発行限度数が決まっています。無制限に発行されるコインもあり、後から発行数が発表されてカタログに載る場合もあります。
⑥状態
コインには美品~未使用とコインの状態をランク付けする用語があります。
今回例にとって調べたシエラレオネのコインは「未使用」クラスの「UNC」に当たります。
<状態表記について>
MS70 | 最高 完全未使用 |
造幣局から発行されたままの状態、古いコインには滅多に見られないランク。 倍率の高いルーペで見ても、袋ずれ、すり傷、他のコインに接触した証拠がない最高の状態。 |
|
---|---|---|---|
MS69 | |||
MS68 | |||
MS67 | 完全未使用 | 未流通貨幣で未使用貨の中でも、鋳造時や輸送時の傷や磨耗が極めて少ないもの。 原色にもムラが見られない。 |
|
MS66 | |||
MS65※ | |||
MS65※ | 未使用 | 発行当時の自然な状態で、時代相応のトーンや傷などの軽度の汚れは認められる。
エッジやギザが鋭く整然としている。 |
|
MS64 | |||
MS63※ | |||
MS63※ | 極美/未 | 未流通に近い状態で、ほぼ未使用に近いが極僅かに磨耗が見られる。 | |
MS62 | |||
MS61 | |||
MS60 | |||
AU58 | 極美品 | 流通したコインの中で、最上の状態で流通痕は見られるが、図柄の細部は鮮明。 | |
AU55 | |||
AU53 | |||
AU50 | |||
EF45 | 美品 | 流通貨幣の中でも、比較的美しい状態で、流通による磨耗がかなり見られるが、大きなデザインの欠損がない状態。トーン、多少の汚れや、洗浄されたものもある。 | |
EF40 | |||
VF35 | 普通 | 並品とも呼ばれ、流通で傷や汚れ磨耗度の高いもの。 | |
VF30 |
※MS65、MS63に関しては評価が別れる場合があります。
⑦参考の市場価格
状態により、市場価格が変わっておりまた、国によって人気度も異なる為、日々変動しています。上図の表記では、未使用クラスで8.0ドル(USドル)の参考市場価格です。
上記から、この1レオネコインはカタログ番号KM26、1974年発行、発行数:103,000枚、直径:36mm、という事が分かりました。ちなみに、このコインには銀貨も発行されているようです。初心者の方には、ぱっと見て白銅貨なのか銀貨なのか見分けがつきにくく、最初のうちはすぐに判別するのは難しいかもしれませんが、少ない情報の中から読み解いていくのもコイン収集の醍醐味です。
是非、いろんなコインを目にしてみてくださいね!
yama
メルマガ担当