新しいコインを集めよう(2)カラーコインの歴史
目次
カラーコインの始まり
1992年、海外の主に小さな島国からカラーコインが発行され始めます。当初は美しい海の中を泳ぐカラフルな熱帯魚やイソギンチャクなどが描かれたものや、見る角度によってキラキラと光る、ビッ●リマンシールのような加工が施されたカラフルな鳥などがテーマに取り上げられました。自然や動植物をテーマにした記念コインはそれまでにもたくさん発行され、絶滅危惧種や自然破壊に対して人類に警鐘を鳴らす意味が込められてきましたが、発案者はビビッドなカラーで再現することで、コインをより魅力的に見せようと考えたのかもしれません。
~ 初めて発行されたカラー銀貨 ~
パラオ共和国 1992年 海洋環境保護 5ドルカラー銀貨 プルーフ 重量:25g 品位:.900 発行枚数:6000枚 |
~動物保護を目的とした記念コイン~
各国(24か国) 1974~1979年 銀貨48種セット |
カラー着色部分が変化する不安
発行された当初は、コイン専門家にとってもカラーコインは未知の存在でしたから、10年後、20年後にカラー着色部分が変化するのではないかといった不安の声もありました。何故ならどんな物質も経年劣化は免れない運命にあるからです。人もコインも、歳を取れば徐々に衰えていく…かと思いきや、意外にそうではありませんでした。不良品はいざ知らず、正常に作られ適切な保管をされてきたものは、なんら変わりありません。それなりの技術を持って製品化されたことが今分かります。当時の自分に大丈夫だよと教えてあげたいです。
カラーコイン発行があっという間に広がる
それから、あちらこちらでカラーコインの発行があっという間に広がっていきました。種類が増えていったということはそれなりに需要もあった、即ちお堅いコイン業界にも徐々にその存在が受け入れられていった訳です。世界から少し遅れて、日本のカラーコインが初めて発行されたのは2003年、ミレニアムを3年も過ぎてからのことでした。青森で開催された第5回アジア冬季競技大会を記念した千円銀貨で、大会エンブレムとりんご(品種:つがる)にカラー着色が施されています。海外のカラーコインのビビッドな色使いに比べると、素朴で真っ赤なりんごの色は、日本の故郷を思い起こさせるような、どこか郷愁を感じてしまうのは個人の勝手な解釈かもしれませんが、とても素敵です。初めてということで、今でもプレミアムがついて取引される人気のコインです。
~日本初のカラーコイン~
日本 2003年 第5回アジア冬季競技大会記念 1000円カラー銀貨 プルーフ 重量:31.10g 品位:.999 発行枚数:50,000枚 |
記念コインの”王道”
記念コインの”王道”である「オリンピック」記念コインで初めてカラーコインが発行されたのは、2000年のシドニーオリンピックでした。100ドル金貨にはオリンピックエンブレムや図柄の文様部分に、5ドル銀貨、30ドル銀貨(重量1kg)はオリンピックエンブレムの一部分にカラー着色が施されました。重量1kgのオリンピック記念コインが発行されたのもシドニーオリンピックが初めてのことでした。初めて尽くしでそれまでのオリンピック記念コインの概念を覆した革新的なシリーズとなりました。
~初のオリンピックカラーコイン~
オーストラリア 2000年 シドニーオリンピック 100ドルカラー金貨 プルーフ 重量:10.21g 品位:.9999 発行枚数:30,000枚 |
南の人
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